2021/12/09
一般的には開発だけのエンジニアよりも、プロジェクトマネジメントができるエンジニアのほうが単価は高いです。
自分の市場価値を上げるなら、プロジェクトマネージャー(以下、PM) としてのスキルも必要になってくるでしょう。
実際にプログラマーとして長く働いていると、会社側から PM としての役割も求められるようになります。
プログラミングのスキルを磨くことも大切ですが、今後のキャリアパスとして PM の仕事をある程度理解することも大事だったりします。
そして PM なら避けて通れない作業が「工数見積もり作業」です。
今回は「Webシステムの見積もり」についてエントリーします。
現役 PM の僕が利用しているWebシステムの概算見積もり書 のテンプレートを公開します!よかったらどうぞ!
用語の整理
以下の用語は見積書を作成する上では必要な用語になります。
人日単価(にんにちたんか)
・1人を1日稼働させた場合の人件費
・1日は8時間、1ヶ月は20日間と基準として算出することが多い
単価 3万円 / 日 × 10人日 = 30万円
※1人で作業した場合に、10日かかるという意味になる
期間が10日ということではないので注意!
1人でやる場合もありますし、2人でやる場合もあります。
人月単価(にんげつたんか)
・1人を1ヶ月、稼働させた場合の人件費。
・大きい規模の場合は「人日」よりも「人月」が使われる。
・「1ヶ月 = 160時間」で計算するのが一般的
・一般的にエンジニアの単価は、1ヶ月あたりの金額で設定される
人月単価の相場は以下になります。
・SE(平均的な中級 SE の単価)の人月単価は100万円
人月100万円(人日5万円 × 20営業日)で計算される。
・1 ヶ月は時間に換算すると「8時間 × 20営業日 = 160時間」
・IBM の上級 SE の人月は200万円以上
・小規模ソフトウェアハウスの、新人 SE の人月は、60万円程度。
・オフショア開発(海外発注)は人月15~30万前後
Web 制作のエンドユーザーへの提示単価もだいたい 人月100万円(人日5万円 × 20営業日) というのが、いまの東京の相場感です。
工数
・ある作業を完了するまでに必要な人数と時間を示す指標(※作業時間)
・「人数 × 時間(1人当たりの時間)」で表した、作業量のこと
・プロジェクトの遂行に必要な業務量を表す
この場合は1人で10日間やるので工数は「10人日」になります。
もし、5人で2 日間やった場合も工数は「10人日」になります。
この10人日に単価をかけて計算して見積もりを出します。
基本的な価格の考え方
Web制作における価格の考え方は大きく2つに分かれます。
・料金表を設定(関西、小規模、デザイン系に多い)
・人月/人日単価で設定(関東、大規模、システム系に多い)
プログラム言語を使わない、いわゆる静的なWebサイト(お店や会社のWebサイト)は料金表を設定していることが多いですね。
一方、Webサービス(ECやマッチングサイト)、いわゆる動的なWebサイトでは人月/人日単価で設定することが多いです。
単価の計算方法
あまりに厳密に定義していると「休暇」「残業」などに対応できなくなります。
そのため、エンジニアの労働時間には過不足を許容する「バッファ」が ± 10時間や20時間で設けられています。
労働時間を定義し、この労働時間を元に単価が計算されます。
最終的な支払金額は、「エンジニアに設定された単価」と「希望する労働時間」の掛け算によりまとまります。
・一般的には開発だけのエンジニアよりも、プロジェクトマネジメントができるエンジニアのほうが単価が上がっていきます。
・単価を左右するのは「スキル」と「経験」の2つの観点があります。
レベル | 人月単価 |
---|---|
PG下請け・フリーランス | 40万~80万円 |
PG大手企業 | 60万~100万円 |
SE初級 | 80万~100万円 |
SE中級 | 100万~120万円 |
SE上級 | 120万~200万円 |
平均 | 80万~120万円 |
無料テンプレート
現役 PM の自分がスプレッドシートで見積書のテンプレートを作成しました。
共有しますので、よかったらどうぞ。
【 見積もり書の仕様 】
- 1ヶ月を20日で計算
- プロジェクト管理費は制作総額の10%で計算
- 人日の数字は小数点第一まで表示
- 人日・人月の合計金額を自動計算
- 工数単価と人月を掛け合わせた自動計算
実際の現場ではSE、PG、デザイナーの工数単価が違うと思います。数値は適宜、書き換えてください。
クライアントが具体的にどんなものを作りたいのか?決まっていない場合は、「要件定義」のフェーズと「開発工程」のフェーズを分けて進めるとスムーズにいきます。
この場合、要件定義が完了したら、再度、具体的な見積もりを実施し、費用を確定させる流れになります。
以上です。
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