2021/02/09
「はじめてのVPSシリーズ」の第13回目です。
前回は Composer と Laravel6 をインストールしました。
はじめてのVPS初期セットアップ⑫ ~ Composer & Laravel6 のインストール ~
Laravel のインストールを行い、スタート画面を表示させましたが、まだ設定やDBの接続は行っていません。
今回はこれをやろうと思います。
事前準備
DBおよびDBユーザの作成
ここではDB名やユーザ名・パスワードは以下のように設定します。
(※ご自身のサービス名に合わせて適宜変更してください。)
ユーザ名:laraveltokyo_user
パスワード:laraveltokyo_pass
後ほど、Laravel の.envファイルにもここで指定した値を入れるので、メモをしておいてください。
MySQL にログインして、Laravelアプリ専用のユーザとデータベースを作成します。
#DBにログイン
[root@example ~]#mysql -u root -p
# DBの作成
mysql> CREATE DATABASE laraveltokyo_db;
# DBユーザの作成
# パスワードの箇所はバッククォートではなくシングルクォートで囲む
mysql> CREATE USER `laraveltokyo_user`@`localhost` IDENTIFIED BY 'laraveltokyo_pass';
# 権限の割り当て
mysql> GRANT ALL PRIVILEGES ON `laraveltokyo_db`.* TO `laraveltokyo_user`@`localhost`;
新しいLinuxの教科書
ただ、読むだけではなく実践しながら進める形式になっています。(※コマンド一覧とか早引きの本ではありません)初心者がつまずくであろう箇所は補足説明がしっかり入っています。基本を大事にしている本なので、書いてあることはとてもわかりやすいです。それゆえ、中級者以上の方には物足りないかもしれませんが、初学者にはススメします!
手順
1) envファイルの作成
.envファイルがなければ .env.example をコピーしたものを.envファイルとして使います。
$ cp .env.example .env
2) envファイルの設定(アプリケーション設定)
.envファイル(設定ファイル)を開きます。
$ vim .env
まずは、アプリケーション設定を記述していきましょう。
以下のように編集していきます。
:
APP_NAME = LaravelTokyo
APP_ENV = production #本番
APP_KEY=base64:******
APP_DEBUG=false
APP_URL = https://laravel.tokyo
APP_TIMEZONE=Asia/Tokyo
LOG_CHANNEL=daily
:
以下、解説していきます。
APP_NAME:サイト名
APP_NAME は開発しているサイトの名前になります。
// APP_NAMEが反映される
echo config('app.name');
APP_ENV:環境名
開発しているサイトの実行環境を指定する項目になります。
- local → ローカル(開発)
- staging → ステージング
- production → 本番
本番環境と開発環境の切り替えは.envファイルの APP_ENV を利用して行うことができます。
例えば、Blade のファイルに本番環境だけ GoogleAnalytics を入れる場合は以下のように書きます。
:
@if(config('app.env') === 'production')
@endif
:
APP_KEY:暗号化に使われるキー
Laravel がインストールされると各自ランダムで作成されます。
このキーを変更したい場合は以下のコマンドを実行します。
php artisan key:generate
APP_DEBUG:デバッグの表示設定
プログラムを実行したときに発生するエラーを表示するかどうかを設定します。
ローカル環境では APP_DEBUG は true、本番環境では false にしたほうがいいでしょう。
APP_URL:サイトのURL
サイトのURLに関連する部分で利用します。
//トップページURL
echo config('app.url');
APP_TIMEZONE:タイムゾーン
LaravelではデフォルトのタイムゾーンがUTCになっています。
設定を変えずにそのまま運用してしまうとアプリケーションが扱う日時がおかしくなってしまいます。
(※ログに吐かれる日時や、DBレコードの created_at/updated_at などが9時間前ずれてしまうなど)
Asia/Tokyo
にするといいでしょう。
LOG_CHANNEL:ログ情報の設定
Laravelのログ設定は、stackとなっていて、複数のログが有効になるようになっています。
ただし、stackの中身を設定する部分では、基本となるsingleがひとつだけ指定されているので、実際にはデフォルトで利用されるログはひとつとなっています。
個人的には日ごとにログファイルを作成する daily がおすすめ。
3) envファイルの設定(データベース設定)
データベースへの接続情報は以下の6つになります。
「事前準備」で作成したDB名とユーザ名、パスワードを入力していきます。
:
DB_CONNECTION = mysql
DB_HOST=localhost
DB_PORT=3306
DB_DATABASE=laraveltokyo_db
DB_USERNAME=laraveltokyo_user
DB_PASSWORD=laraveltokyo_pass
:
4) envファイルの設定を反映
.envファイルの中身を書き換えた場合は、以下のコマンドを実行しないと反映されません。
$ php artisan config:clear
5) 動作確認(マイグレーション実行)
以下のコマンドを実行すると、Laravelでデフォルトで用意されているAuthで使用するユーザテーブルが作成されます。
DBとの接続がされていれば、migrate が成功するはずです。
$ php artisan migrate
以下のようにマイグレーションコマンドが通ればDBの接続はOKです。
ちなみに、マイグレーションに失敗して一度、初期化したい場合は以下のコマンドを実行してください。
# 全部ロールバックしてからマイグレーションし直す
$ php artisan migrate:refresh
以上です。
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