2020/08/12
前回、コントローラにバリデーションを作成しました。
しかし王道ではフォームリクエストにバリデーションを実装します。
フォームリクエストにバリデーションを実装すれば使い回しもできるのでコードのリファクタリングにもなります。
今回はフォームリクエストについてエントリーします。
フォームリクエストについて
Laravelではフォームを含む各リクエストに対して、それぞれ固有のバリデーションを設定できるファイルが用意されています。
これをフォームリクエストとよび、バリデーションエラー時には入力値とエラー情報を付与して前のページに自動的にリダイレクトしてくれます。
バリデーションをパスした時に初めてコントローラー内の処理に移ります。
フォームリクエストは app/Http/Requests/ に置きます。
artisanコマンドで自動生成できます。
チュートリアル
前回作成したチュートリアルを改修します。
コントローラに記述したバリデーションの記述をフォームリクエストに移します。
手順
1)artisanコマンドでフォームリクエストのスケルトンを作成
2)フォームリクエストを編集
3)コントローラを編集
4)ビューでのエラー表示
5)動作確認
1)artisanコマンドでフォームリクエストのスケルトンを作成
php artisan make:request ValiDemoRequest
コマンドを実行すると app/Http/Requests/ValiDemoRequest.php ができます。
2)フォームリクエストを編集
このファイルを以下のようにコーディングします。
以下、解説します。
authorize()は権限に関する判定を行うメソッドです。
使わない場合は true を返しておきます。
: class ValiDemoRequest extends Request { public function authorize() { return true; } :
バリデーションのルールを記述します。
: public function rules() { return [ 'username'=>'required', 'mail'=>'required|email', 'age'=>'required|numeric', 'opinion'=>'required|max:500' ]; } :
デフォルトで表示されるエラーメッセージをカスタマイズします。
messages()をオーバーライドします。
: public function messages() { return [ "required" => "必須項目です。", "email" => "メールアドレスの形式で入力してください。", "numeric" => "数値で入力してください。", "opinion.max" => "500文字以内で入力してください。" ]; } :
既存のメソッドをオーバーライドするので rules() と messages() のメソッド名は変えることはできません。
3)コントローラを編集
コントローラーの引数に先ほど作成したフォームリクエストのクラスをあてます。
フォームリクエストのクラス(ValiDemoRequest.php)に書いたルールでリクエストが自動的に検証されます。
: // DIのフォームリクエストはuseでパスを省略してもOK public function confirm(\App\Http\Requests\ValiDemoRequest $request) { $data = $request->all(); return view('validation.confirm')->with($data); }
DIするクラス(ValiDemoRequest)を変えることで、バリデーションルールを変えることができます。
新規登録と更新でルールを変えたいときなどは便利です。
フォームリクエストを使うとコントローラは大分すっきりしました。
4)ビューでのエラー表示
エラーをViewで受け取るには errors を利用します。
ここでは name の最初のエラーを取得しています。
<input type="text" name="username" value="{{ old('username') }}"> @if($errors->has('username')) <span class="text-danger">{{ $errors->first('username') }}</span> @endif
5)動作確認
http://{ホスト名}/validation にアクセスしてバリデーションがちゃんとかかっているか確認します。
以上です。
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